タイトル

ケイ藻とケイ素と環境変動

 ケイ藻が作る珪酸の殻は分析化学的に “捕らえがたい”対象でした。そのため、ケイ藻は海洋で最も大きな生産性を担っているにも関わらず、海洋学の広い分野でケイ藻の役割が無視されてきました。赤木は希土類元素の海洋分布を理解する過程で、珪藻ケイ酸殻が普通の岩石に比べて1/30程度の希土類元素を含んでいなければ説明できない数々の現象を突き止め、珪藻ケイ酸殻が、従来考えられて来たような純粋な無定形ケイ酸ではなく、陸源の元素を多く含んでいることを明らかにしました。
 さらに、考察を進めて行くうちに、氷期の低い二酸化炭素濃度がケイ藻の活動によってもたらされていることを強く確信するに至りました。この考えは関連する様々な学説を否定することになり、簡単には受け入れられないでしょう。他の研究者を説得するために、ケイ藻の化学的な役割を多方向から調査し、証拠固めからはじなければなりません。この研究は、学問的に重要なだけでなく、人類の将来にも深く関係するでしょう。

研究の目的

  1. 珪藻ケイ酸殻の化学的実体をより客観的に示す
  2. 珪藻が陸源元素を取り込む過程を明らかにする
  3. 珪藻の海洋元素循環に及ぼす影響を明らかにする
  4. 氷期ー間氷期変動と珪藻との関係を明らかにする

海底(及び陸上の)温泉における元素の移動

海底(および陸上の)温泉における元素の移動  海底の温泉は熱水の温度が300度に達し、海底下で様々な化学反応を引き起こします。この作用に伴った元素の移動や濃集によって形成された 海底の金属資源が近年注目されていますが、科学的根拠に乏しい憶測が世間を賑わしているのが現状です。
一方で、これらの謎の解明に挑戦する研究プロジェク トも進められています。海底から入手した試料を丹念に分析し、その結果を地球化学や鉱物学の手法で解釈し、大きな時空間スケールで進む現象を科学的に議論 することが、未来の人類にメッセージを伝えるために必要とされています。